ノイズフィルター搭載バルクキャパシタ(リトルスージー)の紹介

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  • ノイズフィルター搭載バルクキャパシタボード(リトルスージー)の紹介です。
    今回はあえて5V電源で比較データを取っています。というのも1つ皆さんに見て欲しかった物もあったので5Vでという事になってます。ただ、当キットに使っている物は16V物の超低ESR品なので最大16Vのドライブが可能です。
    ※このボードはPCのUSB電源で使う事は想定していませんのでご注意下さい!
    比較は私が持っているLenovoスマートフォンの充電器用のACアダプタLenovo純正の5VUSB出力端子タイプACアダプターのデータと、5VといえばPCのUSBから出力されている5Vのデーターそして、Lenovoスマートフォン充電用のACアダプターにリトルスージーを通したデータの3種類のデータとそのボードを通したデータの時間軸を変えた2パターンを表示します。計測条件は同じで、良い結果データが出るような細工などは特にしていません。

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  • ↑Lenovoスマートフォン用純正充電用ACアダプター5V(以下LenovoのACアダプタ)↑

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  • ↑HP製ノートパソコン 6710b(※SSD換装+ACアダプタ駆動)USB5V出力↑

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  • ↑上記LenovoACアダプタ+リトルスージー(バルクキャパシタ)↑

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  • ↑上記LenovoACアダプタ+リトルスージー(バルクキャパシタ) 1ms↑

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  • ↑上記LenovoACアダプタ+リトルスージー(バルクキャパシタ) 100μS↑
    LenovoのACアダプタもノートPCのUSB5V出力も5Vとしては普通に使えていますが、実際はグラフで見るとこれだけ振っているのが現状です。 リトルスージーを通せばここまで振れが収まり、残ってる振れの周波数帯域が大体5MHzと高周波なので、フェライトビーズで有る程度抑えればOKな感じまで綺麗になっていると思います。
    可聴領域のノイズをトロイダルコアのコモンモードコイルで狙い撃ちをした後,高リプル許容の超低ESR品の電解コンデンサでガッツリとってやるという流れです。手前や出口でパスコンなどこまごました物を置いていますが、そこもキッチリ効いています。容量も約8500μF程ありますしお手軽でおいしいキットだと思います。
    書きすぎてごちゃごちゃしてしまいましたが以上がリトルスージーの概要となります。

現行のNFJ TA2020キット最終版のリニューアル品について

基板などの変更はなく最終版として現在も販売していますが兼ねてより変えてみたいなぁと思っていたその2種類の部分に中国メーカー製を使っておりましたが、リニューアルという形で有名メーカー製を標準付属にさせています。
・中国メーカー製マイラーフィルムコン0.1uF
      ↓
・nichicon YX フィルムコン50V 0.1uF(K) 長野県諏訪工場製造
・中国メーカー製メタライズドポリエステルフィルムコン100V 0.47uF
      ↓
・TPC製メタライズドポリエステルフィルムコン63V 0.47uF(オールドタイプ)
上記2種類の変更になります。両方とも数を使ってしまうので安く抑えなければいけないパーツで余り手をつけていなかったのですが、提供できるギリギリの採算?でやってみました。私の希望としては、このまま標準部品として継続できるのであれば嬉しいです。

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  • さて、nichicon YXのフィルムコンですが、今は無き長野県諏訪工場製造品で正真正銘の日本製です。このフィルムコンはパスコンとしてのみならずシグナルラインでも十分活用できる性能・品質だと思います。オーディオ用途としてよく使用されています。
    出力LPFのネットワークに使った際、高域で若干ごわついていたのが解るくらいにスッキリしましたし、電源ラインのパスコンとしても十分に効果を発揮してくれています。
    日本のオーディオメーカーでも量産タイプで3万円までのクラスのAVアンプでは台湾・中国・韓国メーカーの部品を多用していて、nichiconのこのフィルムコンですら見かける事はありませんが、もう少し高いクラスのものからは使われている事も有るようです。
    単価としてはそこまで高い部品ではないのですが、コストパフォーマンスは高いフィルムコンと言えると思います。今有るタイプは諏訪工場出荷品で材料・製造に関しても安定している感じですし、製造もメイドインジャパンという事で私一押しで取り扱いました。
    量でカバーした分大変な事になっていますが現地の中国人でも日本メーカーでしかも日本製のnichiconのフィルムコンという事で人気は高く良い商品ですし、まぁ色んなチャンネルでなんとか出来るでしょう(汗

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    • ※TA2020キット標準付属品は精度Kです。
      次にTPCのメタライズドポリエステルフィルムコンデンサですが、こちらはさすがに通常仕入れでは価格的にも難しかったのですが、工場流れのスポットで仕入れた物です。ちなみに、現在バルクの状態で入っていると思いますが実は本来はテーピングタイプです。使われる前提で工場側がカットしている状態で保管しているものでしたので、そうなっています。
      このタイプは余り見慣れないと思いますが、2002年あたりではまだ流れ品として普通に流通していたタイプです。その後頭に浮き彫りっぽく字やロゴが書かれたタイプとなり、最終のタイプでは頭の端にTの字を斜めにした感じのになり、最後にAVXに統合された後はそのまま廃盤となっています。このロゴはTPCに統合する前のLCCというメーカーのロゴでTの字を斜めにしたのがTPCに統合後のフィルムコンとなります。物としては同じですが、こちらのLCCのオールドタイプはフィルムが当時の古いタイプとなり若干分厚く、結果として少し大きめではありますが、周波数特性もこちらの方が良く音質面でもアドバンテージの高い物となります。
      以前Part2基板で少しの間採用していたかと思いますが、そちらはTPC時代のものとなっています。つけて比較した感じは似ていますが、それよりももう少し音の輪郭がハッキリしている感じとなっています。
      中国メーカー製と比べると実際音質は向上している実感はありますので、持っている方も
      1セット試してみてください。当時TPCタイプを出したときに、大人の事情で中国メーカータイプと変らないと書いたのが今でも悔いに残ってたりします・・・。
      TPCタイプを持っている方も今回のものを部品単位でまだ実装していなければ試していただきたい。そういうものです。
      以上今回のリニューアル品について語ってみました。
      最後に、こうやって標準品でも色んな部品が少しずつ強化され底上げしていっていますが1箇所だけあえて手を入れていない入力カップリング部分があります。予算の配分の関係もありますが、ここは出来れば変更した方が良いでしょう。
      そして、オプション品では今回の標準キット以上に音質の変化を楽しめると思いますので、もし余裕があればオプションキット・オプション部品なども検討いただければと思います。
      そういう楽しみ方も出来るように色んな要素も設計の段階で入れていますしよろしくお願いします。
      NFJ TA2020キットオプションパーツについて
      最後までお読み頂きありがとうございました。

    NFJ TA2020キットのオプションパーツについて(2013/09/09)その2

    その1の続き
    ★インダクタ
    標準付属インダクタはキットの要求性能を満たした製品を、中国大手メーカーでNFJ特注仕様として製造しています。
    その為こちらで用意しているインダクタラインナップは
    ・NFJ特注仕様インダクタ22uH
    ・TOKO 防磁インダクタ22uH
    ・空芯コイル 10uH
    以上の3種類です。
    NFJ特注仕様の22uHは標準付属の10uHと同じタイプで、巻き数によりインダクタンスが違うだけです。6~8Ωスピーカーには22uHの方が良い場合もあり、気軽に比較できる様に低価格でセット販売していますので是非お試しください。
    TOKOの防磁インダクタは当キットへ簡単に搭載できる最大サイズで、相互干渉が殆ど無くパワー感も増します。デジタルオーディオ専用品を謳うだけあって、大電流時の歪が低く抑えられているのも特徴です。当店のキットオプションとしては空芯コイルに次ぐ高いパーツですが、リピート率が非常に高いのでユーザー様の満足度が高いパーツだと思います。
    空芯コイルですが、音場が広がるというか抜けが良くて、とにかくパワフルで音に迫力がでます。ただ設置間隔が音質に直結しますので施工難易度が高いパーツでもあり、その辺り注意して施工して頂ければお奨めのパーツです。
    ★出力段LPFフィルムコンデンサ
    現在TPC(旧LLC)のメタライズドフィルム0.47uFを標準で付けていますし、0.1uF部分も二箇所を除きnichiconのYXですので、そのままでも特にご不満無くご使用いただけるかと思うのですが、使用スピーカーのインピーダンスに応じて下記のオプションセットに変えて頂けるようご用意しています。と同時に他の単種類フィルムコンについても紹介していきます。
    ※標準キットの設定インピーダンスは4Ωです。
    ・4Ωアップグレードキット
    ・6Ωアップグレードキット
    ・8Ωアップグレードキット
    ※5V入力側パスコンはアップグレードキットのPILKOR 0.1uFと、現在標準のnichiconYXの両方を実際試していただき、好みを見つけていただいた方がいいと思います。出力段LPFの0.1uFは、EVOX MMK5 250V/0.1uFnichiconYXで比較してみてください。
    ・ERO MKC 0.22uFx2個セット
    ・EVOX CMK 0.22uF(J)x2個セット
    ・Panasonic ECQUL 0.1uFx2個セット
    ・ERO MKT1818(0.22or0.33uF)x2個セット
    ・EPCOS B32560J(0.22or0.33)x2個セット
    ・インピーダンス変更キット
    インピーダンス別のアップグレードキットは、インピーダンスに最適化したセッティングと音質向上を同時に図ったセットとなっていますので、ご使用予定のスピーカーインピーダンスをご確認の上ご購入ください。
    ※Tripathの設定資料を参考にしていますが、お使いのスピーカーネットワーク構成により、メーカー公表インピーダンスに合わせたセッティングでベストな音質にならない場合もあります。
    ERO MKC 0.22uFEVOX CMK0.22uFは今は無きメタライズドポリカーボネイトフィルムコンデンサです。
    このサイズでは音の解像度と周波数特性がすごい優秀なやつです。モニター的な音を追求してカスタマイズしていく際はお勧めですが、3セット分必要ですし若干他のラインナップより高めなので、お財布に余裕があれば使ってみてください。セッティングにもよりますが、常用する場合などは聴き疲れする懸念もありますので、用途に合わせて使用する事をお勧めします。
    ※ちなみにピンクEROの方はリード幅が10mmピッチなので若干施工の際工夫が必要です。
    Panasonic ECQUL 0.1uFは、出力段LPFに使用していただくという事で設定しています。本来電源用のうねり防止やオンオフ時の高圧大電流対策のコンデンサですので、シグナルラインで使うという発想は無かったのですが・・・当ブログのコメント欄で教えていただき、使ってみると意外に良いんですよ、これが。
    ERO MKT1818 0.22uF0,33uFは、高域辺りのざわついた感じが落ち着く感じです。このシリーズ緑系のパーツは03年辺りまでのEROは個人的に好きです。それ以降でも、製造方法・基本特性は同じ感じだと思います。
    EPCOS B32560JはプラスチックBOXタイプに比べ品質も良いですね。0.22uFの方ははでかくてサイコロみたいで使いにくいですが音質が良かったです。0.33uFの方は実際使っていないのですが、性能は似た感じで両方とも価格からすれば優秀だと思います。
    インピーダンス変更キット(マイラーフィルムコン)は、優しい音が出るんですが見た目とサイズがあれなので(汗
    マイラー自体は古くからオーディオで使われており特性も優秀なのですが、今のこの標準キットの状況とオプションのラインナップからすると、どうしましょ・・・
    以上、オプションパーツのインプレでした。
    記憶の曖昧な部分は曖昧な表現をしたり、追加の特徴を書かなかったりしていますが、各インプレで使用した際のキットのセッティングなどが同じでは無い事もありますので、あくまでも個人的な見解として参考程度にしてください。
    なお今回TA2020キットリニューアルに伴いオプション部品の中で少々立ち位置が微妙な物が出てきていますので、今後はその対応もしていこうと思います。
    現行のNFJ TA2020キット最終版のリニューアル品について ※9月18日更新
    リニューアル部品の詳細は公式で触れると思っていましたが簡潔な物でしたので、この2種類の部品を近いうちに熱く語ってみようと思います。
    情報が面白くて結構書けそうですのでご期待ください。
    それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。

    NFJ TA2020キットのオプションパーツについて(2013/09/09)その1

    こんばんは、Kです。
    今回はいまだお問い合わせの多い弊社TA2020自作キット向けのおすすめ部品のご案内です。
    以前に個人的なインプレを付けたTA2020キットのオプションパーツのご紹介をさせて頂いておりましたが、現在のパーツラインナップは以前より大幅に増えており、また既に販売終了してしまっている商品もございますので、新たに色々コメントを付け足しつつご紹介していきたいと思います。
    なお今回は該当オプションパーツインプレ系でいきます。あくまでも個人的なインプレでもありますので、参考程度にしていただければと思います。
    現在販売中のTA2020キット最終版リニューアル品は、標準部品で性能を底上げした物ですので、その辺も踏まえて書いていきます。
    ★マストアイテム
    まず下記3つは出来ればマストアイテムとして検討して下さい。
    ・ベースアップグレードキット
    ・5V外部給電レギュレータキット
    ・強化入力ケーブルセット
    ★各種ヒートシンク
    ・ヒートシンク類

    ICのヒートシンクは出力を上げて鳴らす場合にはあった方がいいです。
    7805三端子レギュレータ用のTO-220ヒートシンクは別に要らないです。
    ★カップリングコンデンサ
    入力カップリングコンデンサの部分は基本変更した方が良い部品です。ここの変更で音質の向上がかなり見込めます。音質のベースを決めるといっても過言ではないくらい重要かと思います。
    現在のラインナップでは
    ・ELNA R2Aピュアキャップ
    ・ELNA RFSシルミックII
    ・TAITSU メタライズドフィルムMM
    ・FACO MCAアキシャルフィルム
    この4種類です。
    音の解像度が高のはFACO MCAで高音域が若干大人しくも感じられますが、それも個性の範囲でバランスの良い音です。既にビンテージの範疇に含まれそうなフィルムとしてはコスパも魅力です。
    個人的には4種類の中でTAITSU MMが最も2020キットに合う感じです。こちらはリファレンスになるかもという事で、現在試験的に販売していますので一度試してみてください。突出した癖や帯域による過不足が無く聴きやすいかと思います。
    ELNA R2Aは付属標準品と同じ電解コンですが、ELNA のオーディオ最上位グレード(PURE CAP)ですのでフィルムコンに換えたのと同じぐらい簡単に判る音質の向上があります。一言で言えば綺麗な音ですが、綺麗なだけでなくしっかりと芯が通った音です。
    ELNA RFSにはシルク繊維混合という特殊な材質が使われています。
    オーディオ専用品なので音質は悪くはないですが、かなり明確に好き嫌いが分かれるかもしれません。ただトータルセッティングとして見ると、ベストチョイスになる事も有るのがオーディオの面白いところですので、並列で付けるフィルムコン0.1uFとのコンビで、好きな方には具合の良い音になってますから試してみてください。
    ★電源平滑コンデンサ類
    ICへの電源供給という面で、この部分の電解コンデンサは想像以上に音質に効いています。白基板の時に日本メーカーの470uFを入れたり中華電解コンを使った比較視聴で、この部分も重要なんだと認識させられましたが、強烈な変化で再認識したのはPt2基板にWXを使った時でした。
    キット付属品は低インピーダンスのハイグレード品日ケミのLXZ16V1200uFですので、汎用品と比べ十分に音質は向上していますが、オプションでは更にハイグレード品やオーディオ専用品大容量品をご用意していますので、より音質の向上を期待出来るパーツです。
    個人的にはSANYO WXかニチコンのFWを多用していますが、最近はパナのFCも使うようになって来ました。
    ラインナップとしては
    ・SANYO WX 16V 2200uF(SANYO 電源平滑コンデンサアップグレードキット)
    ・SANYO WA 25V 1800uF
    ・日ケミ LXZ 16V 2200uFx2本セット
    ・nichicon MUSE FW 16V 3300uF
    ・Panasonic FC 16V 2200uF
    ・ルビコン ZLH 16V 3300uF
    SANYO WXは出力を上げて低音が多めの曲を聞いている際に、特定帯域での落ち込みが少ないので個人的にお勧めです。
    ※SANYOの上位グレード品は、他社同等グレードに比べ実性能がワンランク上ですので、安定までに少し時間がかかります。
    SANYO WAはWXを高周波性能寄りに振った上位タイプになります。こちらは25V品ですから容量的に不利ですので、あえてTA2020キットに使わなくてもいいのですが、音のメリハリがWXとは違うので興味の有る方は試してみるのも面白いと思います。
    日ケミのLXZは標準付属品が1200uFに対し高容量2200uFを2本セットですので、IC直下の部分と電源ターミナルブロック横の2つで容量を稼げますからコスパは高いです。
    nichiconのMUSE FWはオーディオ専用品で尚且つサイズに対しての容量が大きい為、詰める際には良く利用しています。音の感じは他の低ESR品と違い若干温めで、私も良く使ってますしお勧めです。
    Panasonic FCは低インピーダンスシリーズになるのですが、よくオーディオ製品で使われており定評もあります。ただ、音の好き嫌いという意味では分かれるのではないかと思います。最初あまり使っていませんでしたが、最近良く使うようになって来ました。
    ルビコンZLHは使った事が有るような無いような。。。あまり記憶に無いのでインプレできなくてすみません。高品質系のACアダプターや充電器などに採用されているスイッチング電源の定番品です。
    続く(その2)